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京都大学大学院理学研究科技術室は研究・教育を円滑に進めるための技術支援を専門とする部署です。

〒606-8502 京都市左京区北白川追分町 京都大学理学研究科
4号館125号室

ご挨拶MESSAGE

技術顧問からのご挨拶

理学研究科技術室 技術顧問 依光 英樹

 2024年4月、北川宏前技術部長の後任として、理学研究科技術部長を拝命いたしました。それ以前は、理学研究科の技術職員の皆様と直接関わる機会は多くなく、私の記憶にある限りでは、化学学生実験の母である阿部さん、そしてその体格とは裏腹に、極めて精緻なフラスコ加熱装置をアルミ塊から削り出して製作してくださった道下さんとのご縁のみでした。
 着任後は、まさに発見の連続で、これほど多くの技術職員の皆様に日々支えられていたのかと、あらためて深い感謝の念を抱いております。なかでも、吉川技術長には多大なご指導とご支援をいただき、また技術部全体をまとめていただいておりますことに、心より御礼申し上げます。
 これまで直接接点のなかった遠隔地の技術職員の皆様ともお話しする機会があり、そこでの誠実な仕事ぶりに胸を打たれました。特に、2024年10月に阿蘇および別府へ実地視察に伺った際には、遠隔地ならではのご苦労や、表には見えにくいながらも極めて重要なご貢献を、肌で感じることができました。2025年度には、飛騨や岡山など他の遠隔地への視察も実施したいと考えております。また、灯台下暗しで近場の視察が疎かになっていたことも反省し、改めて北部構内でのお仕事を学ばせていただこうと思います。
 私の父は工業高校卒の土木屋さんでした。日曜日には自宅で、大きな方眼紙に三角定規を使いながら図面を引いていた姿を、今もよく覚えています。文系進学を志していた私を理系へと導いた父の思いには、自らの技術で橋を架け、トンネルを掘るという仕事への誇りがあったのだろう、と感じています。技術職員の皆様にも、誇りを持って職務にあたっていただけるよう、私自身、全力で支援してまいります。
 2024年10月には、技術部は技術室へ移行し、私の役職も部長から顧問に変更となりました。今後、国際卓越研究大学への申請をはじめとして、大きな変革が待ち受けていることと思います。その中にあって、技術職員の皆様がその能力を十分に発揮し、職務にやりがいと手応えを持って臨める環境を整えることは、理学研究科、そして京都大学の今後の発展にとって不可欠です。  技術職員の皆様が一層ご活躍され、より輝けるよう、引き続き力を尽くしてまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


技術室長の挨拶

理学研究科技術室長 吉川 慎

 研究支援体制再構築(技術系職員)によって、理学研究科技術部は、2024年10月1日から理学研究科技術室となり、京都大学内における正式な組織の位置付けとなった。それに伴い、管理監督者(技術室長)が配置され、所属する職員全員が専門職(技術)へ移行した。
 本報告では、2024(令和6)年度を振り返りながら理学研究科技術室の総括を述べる。

 2024年4月1日に、北川宏教授に代わり依光英樹教授が技術部長(現:技術顧問)へ就任された。それに合わせて、職員各々の紹介を兼ねて業務報告会をオンラインで開催した。また、全体研修では、業務の相互補完を主たる目的として、低温物質科学研究支援室に配属されている職員が、自身の担当する業務(寒剤のくみ出しや液化機の運転および寒剤利用に関する安全教育)について、体験型研修を実施した。
 それぞれのグループについては、研究基盤設備整備グループにおいて、職場における安全対策を今一度洗い出し、学外研修を通して安全な職場環境の整備に活用することを目的とした、座学+体験型研修を実施した。研究機器開発グループでは、ダッソー・システムズ株式会社の技術者を招き、3DEXPERIENCE Platform with SOLIDWORKSの実習を通して、設計および構造解析についての講習を実施した。観測・情報グループでは、YAMAHAのルータを使ったネットワークとVPN構築について、実習形式で持続型研修を実施した。各グループにおいて実施された研修は、それぞれの専門性に沿ったものとなっており、今回得た知見やスキルを各々の職場で実践されることを期待したい。
 この他、安全衛生巡視や北部キャンパス機器分析拠点における共有設備についても、教員や事務職員と協力体制を維持し、技術的支援を行った。安全巡視に関して、これまで理学研究科技術室では、第1種衛生管理者の免許取得者が9名であった。今年度にさらに2名が取得し、合計で11名(2024年度末時点)となり、より一層理学研究科の安全に寄与できる体制が整った。2024年度は、このうち3名(遠隔地1名含む)が衛生管理者として選任され、北部構内の研究室110箇所および実験室107箇所の安全巡視を実施した。
 機器分析拠点については、工作機器関係において898時間、3Dプリンタ関係において81時間の共用実績があった。また、3Dプリンタなどの活用促進を目的として、3Dデータの設計に用いる3DCADに関する講習会を対面で2回開催し、学生および教員合わせて11名の参加者があった。

 2010年に理学研究科技術部が発足し、組織化の過程で技術長が人事評価を行うようになった。そして2024年10月、京都大学事務組織規程に理学研究科技術室として明記され、名実ともに組織化が成された。これもひとえに、歴代の技術長ならびに、技術室員一人一人が同じ方向を向いて、地道に実績を積み上げてきた結果であると考えている。また、これまで技術部長として関わっていただいた先生や事務職員の方々には、円滑な技術室運営に関する予算や部屋の確保ならびに、技術部協議会、研究機器開発支援室運営委員会などにおいて多大なご支援を賜った。この場を借りて感謝を申し上げたい。

 理学研究科技術室は、遠隔地(阿蘇、別府、岡山、飛騨)職員が全体の1/3程度を占め、加えて職員それぞれの技術支援分野も5つにまたがる異色の組織である。したがって、職員間の情報共有やコミュニケーションといったことに関しては、業務の相互協力を行う上でも課題であったが、コロナ禍以降、Zoom等を用いたオンライン会議システムが急速に普及した。それにより、当技術室でも2020年度から毎週1回Zoomを用いた業務連絡会(毎週金曜8:45-)を開催し、情報共有や連絡調整が円滑にできるようになった。現在、業務連絡会は各々が相互に業務を理解し、サポートを可能にする必要不可欠な手段となっている。
 以上のように、研究教育に密に携わる専門職(技術)として、教員や学生への技術的サポートを継続して行えるよう日々研鑽し、京都大学に貢献できる組織として維持できるよう尽力していきたい。


歴代代表のご挨拶

2022年
技術部長:北川宏、技術長:吉川慎
2020年
技術部長:山本潤、技術長:阿部邦美
2018年
技術部長:鈴木俊法、技術長:阿部邦美
2016年
技術部長:松本吉泰、技術長:阿部邦美
2014年
技術部長:平野丈夫、技術長:馬渡秀夫
2012年
技術部長:平島崇男、技術長:阿部邦美

バナースペース

京都大学大学院理学研究科技術室

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